のれん(暖簾)上部の仕立て方について・・・

一般的にのれん(暖簾)の製作をする場合に、上部の仕立て方には2種類あります。

(1)上部に竿通しの輪っかを縫い付ける、乳(チチ)仕立て。
(2)上部を筒状に縫う、袋縫い仕立て。

乳(チチ)仕立ては一般的に関東風、袋縫いは関西風と言われています。
両者にはそれぞれ優位な点と劣る点があります。
まず乳(チチ)仕立ては、のれん(暖簾)の見た目の趣が良く、格好が良いのれん(暖簾)らしさという点では優れています。
しかし乳(チチ)部分にしか竿が通っていない為、吊るしていると真ん中に寄って行ってタルんでくる欠点もあります。
一方の袋縫いは、見た目では乳(チチ)仕立てには劣るものの、竿が袋全体を通っている為、常にのれんをキレイな状態で掛けて頂ける利点があります。

ご注文時にはのれん(暖簾)を掛けられる状況をお聞きし、竿掛けの取り付け方や、また風が良く当たる場所か等の条件により仕立て方のご提案をさせて頂いています。

のれん(暖簾)を作られるお客様は、あまり上部の仕立て方については決めずに(考えずに)ご来店される事が多いのですが、見た目や掛けた後の状態に大きく影響を与える大切な部分ですので、十分なご説明とイメージの違いをご説明させて頂いております。

※麻のれん(暖簾)の場合、当店使用の麻生地が肉厚な為、袋縫いにさせて頂いています。
どうしても乳(チチ)仕立てをご希望の場合には、麻の共布ではなく綿生地での乳(チチ)仕立てになります。